老人ホームでの外出・外泊はできる?外出時の4つの注意点とは?

【リード文】
老人ホームで生活していると、気軽に外出や外泊ができないと思われがちです。しかし実際は、ほとんどの施設で外出や外泊が許可されています。今回は、老人ホーム入居中の外出や外泊の可否とともに、4つの注意点を解説します。

老人ホーム入居中の外出や外泊は可能

自宅を離れて老人ホームで暮らす際、今まで通り外出ができるか 不安に感じる方が多いものです。しかし、ほとんどの場合心配する必要はありません。

基本的に、老人ホーム入居中の 外出は自由です。一人で気軽に近所へ散歩や買い物へ行くなど、今までと同じように外出できると考えていいでしょう。ただし完全に自由というわけではなく、各老人ホームでは入居者の安全を守るために外出や外泊に関するルールを定めています。

施設のセキュリティ上の問題が発生する可能性もあることから、事前に申請が必要な施設もあります。なお、夜間の外出は禁止されている施設が多いので、門限は確認しておくべきです。

外泊も、外出と同様に認められている場合がほとんどです。年末年始やお盆など、家族や親戚が集まるときでも自宅へ戻れます。とはいえ勝手に外泊をすることは難しく、外泊をする際は施設へ事前申請を行い、外泊当日は家族など付き添いの人が必要です。

基本的に外出や外泊ができる老人ホームですが、入居者の状態によっては制限がかかったり外出が認められなかったりする場合 があります。

例えば、認知症の方や要介護度が重い方、日常的に医療ケアが必要など一人で行動が難しく付き添いが必要な方、体調がすぐれない方などは 通院などの必要がない限り外出が認められないケースが多いでしょう。

入院が必要になった場合は?

もし入居者が 入院治療 になった場合は、一定期間老人ホームを留守にすることに なります。この場合は外泊扱いにはならず、施設の退去を求められることは ありません。老人ホーム入居中に入院となった場合は、施設の提携医療施設への入院となるケースもあり、施設から生活支援などを受けられる場合 もあります。

入院によって留守にしている間も、老人ホームの施設利用料の支払いは必要です。また、施設側で外泊日数に期限を定めていることがあります。その場合、入院が期限を過ぎて長期にわたると退去しなければならないため、入院前に施設の 退去要件などをしっかり確認しておく必要があります。

外出・外泊時に移動する方法

外を散歩する程度であれば移動手段は必要ありませんが、老人ホームから遠くへ外出するときや外泊をする際、外出先や宿泊先への移動手段が問題になることがあります。

歩くことに問題がない方であれば、バスや電車、地下鉄などの公共交通機関を使っても問題ありませんが、車椅子の方 は介護タクシーを依頼すると便利です。
介護資格所持者のドライバーが運転、送迎をしてくれるので、安心して移動できます。

老人ホームで介護タクシーを手配してもらえる場合 もあるので、外出や外泊時に施設に相談してみましょう。ただし、介護タクシーの利用は移動の目的によっては介護保険の対象とならず、全額自己負担となることもあります。

老人ホーム入居中に外出・外泊する際の4つの注意点

老人ホーム入居中でも外出や外泊ができますが、その場合注意点があります。外出や外泊をする前に、以下に挙げる4つの注意点を押さえておきましょう。

外出や外泊中の利用料は減額されない

外出や外泊をしている間は、通常老人ホームで受けているサービスは受けられません。しかし基本的に利用料が減額になることはなく、通常通りの支払いが必要です。金銭的な負担が変わらない分、長く老人ホームを不在にしていても退去となる心配がない点はメリットといえます。

食事が不要な場合は早めに申請を

施設利用料は減額にはならないものの、事前に食事の要否を申請することにより、不在の間の食費がかからなくなります。

普段老人ホームで食事を取っている方が外出先で食事をする場合、食事が不要という旨を施設へ申請しておくと、外出時に取らなかった食事分の請求がなくなります。食事が不要の場合、「○日前まで申請が必要」と定めている老人ホームもあるので、外出時や外泊時に食事が不要の場合は申請を 忘れずに行いましょう。

心身への負担をかけないように留意する

外出して友人と会ったり家族と泊まりがけで過ごす ことは、心身に良い影響を与える一方で、環境や生活リズムの変化により 負担がかかるの も否めません。
健常者であっても環境の 変化などで心身に不調をきたす場合 もあるため、老人ホームに入居している高齢者の場合は、その影響が顕著に出ることが考えられます。

特に外泊時は、老人ホームでの生活と同じタイミングでの食事や起床・就寝時間にするなど、可能な限り の 生活サイクルを守り、施設に戻ってからスムーズに元の生活に戻れるようにすることが大事です。

外出・外泊時の最寄り医療機関を確認しておく

老人ホームを利用中は施設内に医師や看護師が常駐していたり、提携医療機関と連携できる体制が整っていたりするので、突然の体調不良でもスピーディーに対応してもらえます。ところが、外出先や外泊先ではそうはいきません。万が一老人ホームを離れているときに体調の異変や不調を感じた場合に備えて、近隣の医療機関を確認しておきましょう。

もし外出・外泊先に医療機関がない場合、行き先を変更するのも選択肢の1つです。

まとめ

老人ホーム入居中の外出や外泊は気分転換や家族団らんの時間を過ごせる機会ですが、自宅で暮らしているのとは異なる注意点があります。今回ご紹介した注意点を押さえて、外出や外泊を楽しく過ごしましょう。

この記事を書いた人

近畿老人ホーム紹介センター編集部

近畿老人ホーム紹介センター編集部が監修するコラムです。 近畿老人ホーム紹介センターは、奈良県を中心に10年以上の老人ホーム紹介事業をおこなっている経験から、介護業界の情報を熟知したスタッフが揃っています。 老人ホームや介護施設への入居を考えるうえで役立つ情報をお届けします。 ・奈良県唯一の老人ホーム専門誌「シニア住宅情報」発刊 ・公益社団法人 全国有料老人ホーム協会 高齢者向け住まい紹介事業者 ・高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)登録紹介事業者

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