老人ホーム入居時に住民票を移すメリット・デメリットを解説!銀行の住所変更は必要?

引越しと同様、老人ホームに入所する際も住民票を移すことが可能です。

しかし、住民票を移すことで発生するメリット、デメリットがあります。

本記事では、老人ホーム入所時に住民票を移すメリット、デメリットに加えて、銀行の住所変更についても解説します。

老人ホーム入所時に住民票を移すメリット

老人ホームに入所する際に住民票を移すメリットとして、以下が挙げられます。

  • 郵便物を受け取りやすい
  • 自治体独自の高齢者支援サービスを受けられる
  • 介護保険料が安くなる可能性がある

介護に関する通知をはじめ郵便物を受け取れる

住民票を移すことで、郵便物が老人ホームに直接届くようになります。郵便物の中には、自治体から届く介護に関する通知も含まれているため、大切な書類を見落とすことがありません。

住民票を移動しないと郵便物は自宅に届くため、手元に届くまでに時間がかかってしまいます。

自治体が提供するサービスを受けられる

各自治体は独自の高齢者支援サービスを用意しています。そのため、住民票を移した先の自治体が提供するサービスを受けることが可能です。

ただし、もともと住民票があった自治体のサービスは受けられなくなるので注意が必要です。

住民票を移す前に、まずは自治体ごとの独自サービスを比較しましょう。自治体が提供する独自の高齢者支援サービスとして以下などが挙げられます。

  • 在宅高齢者訪問理美容サービス
  • おむつ代の医療費控除等

なお、サービスにかかる費用や条件は自治体で異なります。

介護保険料が安くなる可能性がある

介護保険料は自治体によって異なります。また、自治体によっては低所得の方を対象に保険料の減免が行われているケースもあります。

そのため、自治体による独自サービス同様、住民票を移す先の介護保険料や国民健康保険料をチェックしておきましょう。

要支援・要介護認定を受けている場合は受給資格証明書を14日以内に提出

要支援・要介護認定を受けている方には転出時に受給資格証明書が交付されます。受給資格証明書は住民票を移した先の自治体に14日以内に提出しましょう。

14日を過ぎてしまうと、再度介護認定を受ける必要があります。

老人ホーム入所時に住民票を移すデメリット

老人ホームに住民票を移すことで得られるメリットがある一方、次のようなデメリットが考えられます。

  • 手続きが煩雑になるケースがある
  • プライバシーの確保が難しい
  • 介護保険料が高くなる可能性がある

入所が短期間の場合は手続きが煩雑になる

ショートステイやリハビリによって在宅復帰を目指す介護老人保健施設の場合、住民票を移す作業が煩雑になってしまいます。

このような手間を考えると、入所が短期間になる場合は住民票を移すのはデメリットと言えます。

郵送物が届くためプライベートが伝わる可能性がある

住民票を老人ホームに移すことで郵便物が入所先に届きます。自治体からの重要な書類を見落とすリスクが減らせる一方、プライベートの郵送物が他の入所者に伝わってしまう可能性があります。

介護保険料が高くなる恐れがある

メリットで解説したとおり、自治体によって介護保険料が異なります。そのため、住民票を移したことで保険料は高くなってしまうかもしれません。

このようなデメリットを解消するのが住所地特例制度です。

住所地特例制度を活用すれば介護保険料を抑えられる

介護保険料は自治体ごとで異なるため、保険料が安い自治体に入所者が増えてしまう恐れがあります。その場合、一部の自治体に財政負担が集中してしまいます。

この問題を解消するのが、住所地特例制度です。同制度を利用すれば、もともと住んでいた自治体に介護保険料を支払うことが可能になります。

住民票を移した先の自治体の保険料が高い場合でも、住所地特例制度を活用することで保険料の負担を抑えられます。住所地特例制度の対象となる施設は以下のとおりです。[注1]

  1. 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)(定員30人未満は除く)
  2. 介護老人保健施設
  3. 介護療養型医療施設、介護医療院
  4.  特定施設(介護専用型で、かつ定員30人未満は除く)
  5. 有料老人ホーム
  6.  軽費老人ホーム(A型、B型)、ケアハウス
  7.  養護老人ホーム
  8. サービス付き高齢者向け住宅のうち、有料老人ホームに該当するもの

[注1]横浜市 | 住所地特例制度のご案内

郵送物の受取人がいない場合は銀行も住所変更する

銀行からは口座に関する重要な書類が届く場合があります。

そのため、自宅に郵送物を受け取る人がいない場合は、入所先の老人ホームに住所変更しておきましょう。

老人ホーム入所時に住民票を移す場合は住所地特例制度を活用

老人ホーム入所時に住民票を移すと、郵便物が受け取りやすい、介護保険料が安くなる可能性があるといったメリットがある一方、プライバシーが確保しづらい、介護保険料が高くなる場合があるというデメリットもあります。

しかし、介護保険料が高くなるというデメリットは、住所地特例制度で解消可能です。老人ホーム入所時に住民票を移す場合は、それぞれの地域の特徴を比較して制度を積極的に活用しましょう。

この記事を書いた人

近畿老人ホーム紹介センター編集部

近畿老人ホーム紹介センター編集部が監修するコラムです。 近畿老人ホーム紹介センターは、奈良県を中心に10年以上の老人ホーム紹介事業をおこなっている経験から、介護業界の情報を熟知したスタッフが揃っています。 老人ホームや介護施設への入居を考えるうえで役立つ情報をお届けします。 ・奈良県唯一の老人ホーム専門誌「シニア住宅情報」発刊 ・公益社団法人 全国有料老人ホーム協会 高齢者向け住まい紹介事業者 ・高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)登録紹介事業者

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